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理事長挨拶

よりよい乾癬の治療を求めて

乾癬は日本人の300人に1人が持っている皮膚の病気です。
この病気は慢性で、時に関節が悪くなる方もいます。
私が研修医だった1990年代のはじめ頃はあまりよい治療法が無く、
長い期間入院するような患者さんも少なくはありませんでした。
しかし、生物学的製剤や優れた内服薬が開発され、治療はとても
進歩しました。

それでは、多くの選択肢の中でどの治療が最も良いのでしょう?
効果が高く安全で、長く続けられる治療はきっとよい治療でしょう。
では、どの治療が最も良いか、どうすれば解るでしょうか?
多くの患者さんが「医師はそんなこと知っているはずだ」と思う
でしょう。
しかし、現実には必ずしもそうではありません。

今福 信一

NPO法人
西日本炎症性皮膚疾患研究会
理事長 今福 信一

医師は毎日患者さんを治療していますが、1人の医師が診る患者さんの数には限りがあります。
私達がある治療をしてよく効いた、と思ってもそれはたまたまかも知れません。
少数では「あくまで個人の経験です」というしかありません。

同じ治療が100人、1,000人でも同じ結果になるのか?これは調査してみないと解りません。
また、1年後にも、10年後にもよかったのか、副作用はどれくらいだったのか?などは多くの
患者さんをよくよく検討してみないと解りません。
たくさんの医師の「経験」を集積して初めて、それ以上の「根拠」に基づく数字がみえてくる
のです。
その根拠に基づく医療はおそらく少数の経験に基づくものよりも優れる可能性があります。

病気の実態はどうなのか、どの治療がどんな患者さんに適切なのか、そして、どんな治療にも
ある副作用はどこに気をつけるべきなのか。
今行われている治療のそのような答えは、自分たちで見つけて行く必要があります。

これまでも私達は西日本の大学、病院、診療所の有志で共同でいろいろな調査をしてきました。
この調査によってこの地域の患者さんの病気の姿が解るようになってきました。
今後は少なくとも10年間、治療の経過の追跡を行って、病気を理解し、よりよい治療法をみつける
研究を行っていきたいと思っています。

このような調査研究を実行するにはたくさんのマンパワーと資金が必要です。
今後、この調査研究をより発展させ、よりよい治療法を探していく上でこの研究組織が欠かせない
と感じ、今回このNPO法人を立ち上げました。日本では稀な形態の研究組織ですが、多施設を広く支援することの出来る中立公平な受け皿としての役割を果たします。

患者さんには是非この研究にご参加いただき、一緒によりよい治療を探して行きましょう。
また、上記のような主旨をご理解いただける企業・個人の皆様からの支援を受け入れております。
ご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。

NPO法人西日本炎症性皮膚疾患研究会
理事長 今福信一

今福 信一

NPO法人西日本炎症性皮膚疾患研究会
理事長 今福 信一